半導体島 2021 2 14

 米中対立が深まる中、台湾が焦点になってくるでしょう。
アメリカは、台湾の民主主義を守りたいと考えています。
一方、中国は、台湾海峡における「両岸の統一」を考えています。
 私は、別の懸念を持っています。
実は、台湾は、半導体技術の集積した「島」です。
 私は、かつて台湾に行ってみたいと思っていました。
それは、台湾料理ではなく、パソコンの部品が目的です。
 パソコン自作に興味がある人はわかると思いますが、
重要な部品は、台湾製が多いのです。
 私は、台湾製のマザーボードが好きです。
そのほかにも、台湾製の電子機器を使っています。
 もちろん、アメリカも、このようなことにも注目しているでしょう。
コンピューターの頭脳であるCPUを「5nm」という微細技術で作ることができるのは、
今のところ、台湾のTSMC社だけです。
私の勝手な想像ですが、アメリカのIntel社は、TSMCに追いついていないでしょう。
 パソコンが好きな私にとっては、
アメリカと中国は、「半導体島」の取り合いをやっているように見えます。

eUV 2020 2 1
 「eUV」とは、「extreme Ultra Violet」(極端紫外線)のことであり、
今、話題となっている半導体製造の最新技術です。
 さて、半導体製造技術は、
リバーサルフィルム(スライドフィルム)による「写真製造」を連想させます。
 今は、デジタルカメラが主流ですが、
昔は、フィルムをカメラ本体にセットして写真を撮っていました。
 フィルムには、ネガフィルムとリバーサルフィルムがあり、
ネガフィルムはファミリー向け、リバーサルフィルムは写真家向けでした。
 たとえば、カメラを風景に向けると、
風景という「光情報」は、カメラのレンズを通過して、
カメラ本体にセットされたフィルムを感光させます。
 撮影が終わったら、
カメラ本体からフィルムを取り出して、現像します。
そうすると、スライド写真ができるのです。
 しかし、数センチ四方のスライドでは見づらいので、
スライド映写機で見るか、
あるいは、スライドの上から強い光を当てて、
スライドの下に置いた印画紙に露光させるのです。
 普通は、週刊誌サイズの印画紙や新聞紙サイズの印画紙に露光させるので、
スライドの写真データは大きく拡大され、写真の細部までわかります。
これは拡大させる手法ですが、縮小させる手法も可能です。
 たとえば、名刺サイズの印画紙に、
同じリンゴの写真をたくさん露光させることも、
工夫をすれば可能でしょう。
 さて、半導体製造は、ひたすら微細化を目指しています。
たとえば、パソコンのCPUのコアは、
最近では、10nmや7nmという規格(プロセスルール)で作られます。
「nm」(ナノメートル)の「ナノ」とは、10億分の1のことです。
 これほど微細化してくると、光の波長が気になります。
人間の目で見える可視光線の波長は、意外にも大きいのです。
 そこで、波長の短い紫外線を使うのですが、
日焼けの原因となる「UV-B」でも、
その波長は、300nm前後ありますので、使えません。
 そういうわけで、紫外線の中でも、
極端に波長が短いものを使うことになります。
ここまでいくと、もはや「X線」の世界に近いものがあります。
 ところで、普通の人から見れば、
なぜ極端に微細化させる必要はあるのかという疑問があるでしょうが、
微細化されたCPUのコアは、消費電力が少なく、熱発生が少なくなります。
 そもそも、1枚のシリコンウエハーから製造できる、
コアの数が多くなるというメリットもあります。
さらに、不良品の発生率が低くなります。
 そういうわけで、ひたすら微細化を目指してきましたが、
そろそろ限界に近づいたと思います。
ここまで行くと、原子の世界に近づきます。

















































































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